お役立ちコラム
1.232018
ご存知ですか?インクの剥離には脱脂が命!だということを
インク剥離に悩むユーザーの約80%が塗面の脱脂洗浄が十分にできていないのです。
インクの密着性を向上させるにはプライマーよりも脱脂方法の見直しが先決です!
関西モリッツの脱脂専用塗面洗浄剤「ダッシアース」「ダッシクリアST」ならスキルに頼らない最適な脱脂洗浄を実現し、業務効率化のお手伝いをいたします。
1.常識という言葉で置き去りにしていた脱脂の重要性
ジグメイクストアで販売しているトレンナーシリーズ(プライマー)のレビューを伺うと、これまでの製品よりも画期的に優れているという高評価の反面、ユーザーによっては著しく低い評価をいただくことがありました。
確かにプライマーは塗布方法や液量、乾燥時間、温度など、経験の豊富なユーザーであっても、試行錯誤を繰り返して見つけるノウハウが存在します。経験の浅いユーザーであれば、使いこなせないという状況もあると私たちも考えていました。
しかし、異なる素材ならまだしも、同一素材においても評価が二分するという現実に、もしかすると使い方を間違えているのではないか?と考えるようになりました。
そこで、低評価のユーザーからのヒアリングを通して、剥離層がどこにあるのか原因の特定をはじめました。すると程なく評価を二分する原因が、私共にとって想定外のところにあることがわかりました。
それは塗装面の脱脂が不十分ということです。低評価ユーザーの多くは素材の塗面とプライマーの間で剥離を起こしていたのです。
塗面の脱脂洗浄は塗装業界では常識として受け止められており、私共もユーザーの“きちんと脱脂はしている”という声をそのまま受け止め、深く検証することがなく、問題の本質がそこにあるとは考えもしなかったのです。
2.なぜ塗面の下処理に脱脂洗浄が必要となるのか?
例えば金型を用いて形成する印刷素材の場合、加圧後、金型からスムーズに剥がすために塗布する剥離剤の油分が製品表面に付着します。また、スマートフォンケースなどのプラスチック形成品は、主に海外で製造されることが多く、作業工程の大部分を手作業に依存しているメーカーが多いため、人間の皮脂が油膜となるケースも多いのです。
また、金属系素材にプリントするユーザーで、脱脂洗浄にアセトンなどの有機溶剤を用いていた場合は、比較的しっかりと塗面の脱脂ができていたのに対し、プラスチックなど、有機溶剤では変質してしまう素材にプリントをするユーザーは、素材のダメージを気にするあまり洗浄能力の低い脱脂剤を用いていたのも、脱脂を不十分なものにしていた原因でした。
塗装面の下処理として脱脂洗浄が不十分であれば、インクはおろかプライマーのノリも悪くなってしまいます。逆にしっかりとした脱脂洗浄を行うことさえできれば、プライマーを使わなくてもしっかりとインクと塗装面を固着することができるのです。
3.脱脂剤の主流はアルコール。でもアルコールの種類と特性は以外と見過ごされている!
「脱脂ならアルコールでしっかりやっている」と主張するユーザーも、なぜそのアルコールを選んだのか?そのアルコールで塗面が最適な状態に脱脂ができているのか?という質問に答えられるケースは多くありません。
確かに、素材の変質を抑えるためプラスチック系素材には、アルコールを脱脂剤に用いるのは正しいことなのですが、実は脱脂の用途に用いられるアルコールには種類があり、それぞれに特性が異なるのです。
まずメタノール。これは手の消毒除菌などに用いられることも多いアルコールで、滅菌力はあるが溶剤としては非常に弱いものです。
次にエタノール。メタノールより強い脱脂が可能ですが、長時間放置するなど使用方法によっては樹脂の溶解を起こす場合があります。ただし焼付けしていない塗膜を、軽く拭くだけでは素材を侵すことはありません。
この2種類は脱脂用のアルコールとして最も多く用いられるもので、実際に多くのユーザーもこのいずれかで脱脂を行っていました。しかし、容易に入手できるこれらのアルコールでは素材表面の脱脂(特に皮脂)に関しては十分とは言えません。スマートフォンケースのように、規格が異なる複数の素材を用いる場合には、拭き残しが発生してしまいます。
拭き残しを作らないように、アルコールの吹き付けを繰り返したり、クロスで強く拭いたりすると、塗面を荒らしてしまうことにもつながり、これが十分な脱脂ができていない原因だという結論に至ったのです。
4.業界の固定観念を廃し経験の浅いユーザーにも使いやすく高性能な脱脂剤を開発
プライマー販売を通して気が付いた脱脂の重要性。そして脱脂は常識という塗装業界の固定観念に縛られてしまっていた反省から、私どもジグメイクでは、多くのユーザーに質の高い脱脂洗浄を容易に行っていただけるように、そして自社のプライマーの性能を引き出していただけるよう、下処理としての脱脂洗浄用「ダッシアース」「ダッシクリアST」を開発しました。
「ダッシアース」「ダッシクリアST」はプラスチック素材の中でもスチロール樹脂のような耐溶剤性に対応し素材にも表面を侵すことなく使用できます。
さらに、静電気除去剤を配合することで、脱脂洗浄時の静電気によるゴミやホコリの付着も防止することで、下地処理の際のもうひとつの悩みにも配慮しました。これにより経験の浅いユーザーにも、安定的な脱脂洗浄を可能にし、プライマーやインクの密着性が格段に改善しユーザーの業務効率化に実現します。